以下、京都の前進友の会の皿澤剛さんからもらった


メイルを本人からの許可のもと転載します。

なお、『救急精神病棟』は、講談社から出てます。
(ゲゲゲのとしちゃん[2004/05/01])


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ようやく、2ヶ月かかって、野村進著『救急精神病棟』を
読み終えました。

正直、疲れました。本一冊読むのにこれだけの時間がかかりました。

それで、この本の書評(レヴュー)を
「アマゾン」
http://www.amazon.co.jp/
のこの本のページに投稿しました。

削除されなければ、近い内に(匿名で)掲載されます。
でも、内容が内容名だけに、削除されるかもしれませんが・・・

以下に、この本の書評を書いておきます。
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星の数・1つ

  「千葉県精神科医療センター」の宣伝にしかなっていない本

 まずこの本は「ルポルタージュ」ではなく「ノンフィクション」です。ですから、
事実の細部を描くよりも、小説的な「読み物」となっています。この本で本当の「真
実」を知りたいと想っても、それは無理です。
 この本の内容は、「千葉県精神科医療センター」という「精神科救急」を標榜して
いる精神病院のいろいろな「日常」を、あくまで病院側の視点から描いています。で
すから、この病院の都合の良いことだけが書かれ、都合の悪いことは書かれていませ
ん。
 また、全国で激しく電気ショック(ES・ECT・通電療法)廃絶の声や運動が起
こっているにもかかわらず、あくまで病院側の視点から、電気ショックを不可欠な
「治療法」として読者に印象づけようとしています。この「治療法」によって、今ま
でどれだけの患者が苦しめられてきたかは無視されています。
 この本の大きな主張は「精神科救急」と「リハビリ」にお金をかければ精神医療は
良くなるというものですが、問題はそう単純ではないと思われます。むしろそのこと
によって患者が苦しめられることもあるのではないかと想います。
 
今のこの日本の精神医療の現場では、不幸なことに、大熊一夫氏の『ルポ・精神病
棟』の世界がいまだに生きています。ですから、本当の日本の精神医療の現実を知り
たい方は、大熊一夫氏の『ルポ・精神病棟』などを読むことをお薦めします。
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  皿澤 剛